メンズパンプス

今回は、靴のお話です。

 

わたしは、革靴が好きです。
 
 
どこそこのブランドが好き!とかってのはあまりないのですが、
宮城工業とかスコッチグレインとか、日本のブランドをよく履いてます。
あとはグレンソン。欲しいのは、もっぱらパラブーツです。
 
 
ちなみに、靴磨きもぜんぜん億劫じゃなくて、むしろ好き
クリームの香りとか嫌いじゃないですし、
無心になって集中できる感じとか、目に見えてピカピカの靴に仕上がるので、
成果をすぐに体験できるのが気持ちよいです。
 
 
で、今回はオーダーシューズのお話です。
 
 
たまたま知人の旦那さんが靴職人(ぜっさん見習い中(^o^))で、
その練習台にならせていただく、という良縁に恵まれました。
ただし、パンプス限定なんですw
 
 
そう、この職人さん、メンズのパンプス限定という、
すごくニッチなところで突き抜けようとなさっているのです。
 
 
とはいえ、わたしには、いきなしヒールの高いパンプスはハードルが高すぎるので、
今回お願いしたのは、これです。
 
 
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オペラパンプス。
 
 
、、、といっても、まだぜんぜん途中段階で、
写真だけじゃあ、ただの大きなパンプスにしか見えませんよね。
 
 
今回は、わたしの木型に合わせた靴のサイズを見るための途上でして、
試着しに行ってきたのです。
 
 
で、こちらが、1カ月ほど前に測っていただいて出来た、わたしの木型。
 
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なんか巨人みたいな色してますが、これは蝋です。
ベースとなるプラスチックの木型に、徐々に肉付けしていくのだそうです。
 
 
足を実測していただいて分かったのは、
わたしの足は、どうやら一般的な成人男性のそれと比べて、
極端に踵が小さい、ということでした。
 
 
それで合点がいったのですが、既製のスリッポンとかデッキシューズとか、
いつも足が抜ける感じがして、買ってもけっきょく履かなくなっていたのです。
 
 
なので、履いてるのは、けっきょくいつも、
きちんと甲を抑えるモノばかり。踵が小さいからなんですね。
 
 
こんなふうに、自分の身体を客観的に知る機会って、
そうそうないですよね。とくに、足なんて。
 
 
いまでこそ3Dプリンタが話題になりますけど、
こうして人の手を介在してモノが作られるということに、
けっこう感動しました。
 
 
もちろん、自分だけのために、という特別感もあるのですが、
それよりも、ただただ、一生懸命な仕事ぶりを間近で見られたことに感動しました。
この職人さんと、指導する先生の阿吽の呼吸も垣間見ることができ、
それもまたグッときて、
 
「ここは、こうだから、ちょっとそこを削って」
「そうですね。こうですね」
「うん」
 
とか。
 
、、、もうね、素人にはぜんぜん分からねぇ会話w
経験も感覚も共有できてるからこその師弟の言葉遣いに、ひたすら興奮です。
 
 
こんなふうに、人から生み出される技術とか知恵とかに敏感でありたいなぁと、
これを書きながら振り返ってます。
 
 
 
あと、面白かったのは、靴のサイズって、
足長だけで選ぶものではない、ということでした。
 
 
親指の付け根と小指の付け根を結んだ線、
たぶんこれがワイズに相当すると思うのですが、
ここを起点に足の蹴りあげが行われるため、
この線分の長さを測るんだそうです。
靴のフィットでは、ここがいちばん重要な点らしいです。
たいへん勉強になりました。ありがとうございました。
 
 
 
たぶん来月には、今回微調整した点が修正されたオペラパンプスが完成予定。
ご厚意で、本番の革はエナメルを準備していただきました。
 
 
たのしみ!